シングル・モルト・ウィスキーとは?
『モルト』とは英語で大麦麦芽の意味。
大麦麦芽のみを使用したウイスキーを『モルトウイスキー』と呼ぶ。そして『シングル』が意味するものは単一の蒸溜所でつくられたウイスキーをボトリングしたものだ。つまり、一つの蒸溜所でつくられた『モルトウイスキー』だけを瓶詰めしたものが『シングルモルトウイスキー』。
対して、複数の蒸溜所の『モルトウイスキー』と、トウモロコシなどを原料とした『グレーンウイスキー』を混和したものを『ブレンデッドウイスキー』と呼ぶ。『ブレンデッドウイスキー』が様々な特長を持つウイスキーを絶妙な技術でブレンドし、バランスのとれた味や香りを追及しているのに対し、『シングルモルトウイスキー』はその蒸溜所の個性やこだわりがそのまま反映されているのが特長だ。
もし僕らのことばがウィスキーであったなら
このシングル・モルト・ウィスキーを味わうべく、村上春樹が訪れたのが、アイラ島。そこで、味わったウィスキーのことを書いたエッセイが、「もし僕らのことばが・・・」だ。
アイラ島には、7つの蒸留所があり、そこで作られているのが次の7つの シングル・モルト・ウィスキーだ。
アードベッグ
アードベッグはアイラ島南部に位置する岬で製造されているシングルモルト・ウイスキーです。
アードベッグの特徴は磯臭さ、そして強烈なスモーク&ピート香です。
村上春樹も言ってますが、アイラでは樽が呼吸する。倉庫が海辺にあるから、どんどん潮風を吸い込んでいく。なので、磯臭いのである。
実際、飲んでみましたが、かなりのインパクトのある味です。正直、キツイかも。スモーキー好きには時折飲むのは良いかもです。
ラガヴーリン16年
ラガヴーリンはスモーキーなだけでなく、スイートさ、品の良さをたたえているのも特徴と言われています。非常に繊細な香りが華やぐのです。
なんてたって、ホワイトホースのキイモルトなのです。ずっと、ブレンデッドウイスキーのための原酒製造所という位置付けだったのですね。
だから、本当は、出現しなかったウィスキーかもしれない。
シングル・モルト・ウィスキーが話題となり、近時出現したものなのです。
マボロシィィ。
ラフロイグ
個人的にボウモアの次に良く飲むのが、このラフロイグ。
正露丸とか薬系の味とか言われているけど、自分は余りそうは思わない。美味しいのである。私には。
海藻的な味わいと言って良いのだろうか。良い意味で、磯味です。
ラフロイグの蒸留所はかなり近代的らしい。
カリラ18年
カリラとはゲール語で「アイラ海峡」。
アイラ島とジュラ島を隔てる海峡で、その周辺はスコットランド西岸において、風光明媚な地域です。
この奥まった入り江に建つカリラ蒸留所は近年非常に人気が出ている注目の蒸留所です。
ジョニーウォーカーは昔から世界中で愛され続けているブレンデッドウイスキーで、カリラはそのスモーキーな味わいを決定づけるために欠かせない柱の1つ。キイモルトの1つなのです。
今回のウィスキーの中では、一番、フルーティ。
香りは煙、潮に、ドライベリーとバニラが加わった感じ。
味はまろやかで、全体的に甘みとボディが増した印象です。
ボウモア15年
自分が一番飲んでいるウィスキー。日本では、一番馴染みが深いのでは。
アイラモルトの女王で、優しい味わい。
総代理店であるサントリーのコメントには、
スコットランド西岸沖のアイラ島にボウモア蒸溜所はある。1779年創業というスコッチのモルト蒸溜所のなかでも古い歴史を誇り、ほとんどの蒸溜所が自前での工程を手放したピート採掘や大麦のフロアモルティングなどの伝統製法を職人たちが頑に継承している。それはスコッチのモルトウイスキーづくりの大いなる遺産だ。
村上春樹も言っているが、とにかく、蒸留所も製法も昔ながらの古さで、味わいも結局そこから派生してきている感じだ。だから、この味は、好きだ。
ブルイックラディー
アイラ・モルトの中でもっとも香り豊かな食前酒。
ブナハーブン
「ブナハーブン(Bunnahabhain)」とはゲール語で「河口」という意味。
蒸溜所はマーガデイル川の河口にあり、上流から水を引いています。
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