大市民を読み解く①:柳沢きみお

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人生

大市民という漫画

柳沢きみおの漫画である『大市民』は今の時代でも、男の生き様にとって、参考になるところが多い。この漫画は、ある意味、蘊蓄エッセイ集でもあるのだ。今の時代、女性の躍進が目立つ。男女機会均等の世界を模索している。某元首相もパワハラ発言というかセクハラ発言でオリンピックの世界から消えていった。こういう社会だからこそ、漫画『大市民』の主人公である山形鐘一郎の存在が気になってしょうがない。久しぶりに、これを読むか、ということになるのである。必然的に。

実はこの漫画、作者柳沢きみおは語ってはいないのであるが、そのベースにあるのは、実は植木等だったりしてとも思うところはあるのである。何故なら、この主人公山形鐘一郎は男のダンディズムと蘊蓄の申し子を地で行く人であるが、そこには全てユーモアとペーソスが常にあるのだ。そこが、日本の行動成長期に植木等演じてきた映画やドラマの主人公の存在と重なるのである。そう、無責任男シリーズの植木等なのであった。

植木等「大市民」と柳沢きみお『大市民』

なんと、その関係で、植木等をフォーカスしていったら、同じ題名のドラマがNHKでかつてあったのであったよ。その名も『大市民』。こっちは、小説家山形鐘一郎とは違い、サラリーマンなのであるが、そのコミカルにして、人生や幸せを問いかけるところは同じなのであったね。


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激動の昭和40年代に制作されたNHK傑作ドラマシリーズ。高度経済成長期を背景に、“本当の幸せとは何か”を問いかけるヒューマンドラマ。大規模団地に住むある一家は父母と息子一人のごく平凡なサラリーマン家庭。いつもと変わらずに始まる月曜日の朝。父は会社に息子は友人と海に出かけ、母は掃除洗濯と家事に追われる。そんな中、法事に出かける隣人の赤ちゃんを預かることになるのだが…。

大市民シリーズ

ところで、この漫画『大市民』は、今は知らない人も多いだろうが、その当時知る人にとっては人気なニッチな漫画であったのだ。そのために、色んなパターンで作品が世に出ていたのである。そうなのである。最終的に、山形鐘一郎の45歳から67歳までに人生が描かれてきたのである。

そうなので、そこはしっかりシリーズを最初から見ておいておこう。ちなみに、『大市民』シリーズは、次のようになっているのだ。凄いシリーズものなのであるよ。

1.大市民
2.大市民Ⅱ(1996年~1997年に連載)
3.THE大市民
4.大市民日記
5.大市民語録
6.THE大絶叫市民
7.大市民 最終章
8.大市民挽歌(←2017年連載)

大市民

最初の『大市民』は、今でこそ、kindle版になっているが、漫画はやはり紙が神であろう人達にとっては、なんと10巻+番外編の11巻というマンガであったのだ。全てにおいて、こだわりの男のダンディズムが描かれていて、大変に面白い。リラックスするのにも、持って来いである。ただ、ビールが大変飲みたくなるので、特に夏に読むことはお勧めしない?ていうか、逆に、ビール片手に読むべき男の漫画なのであったよ。

酒は強いし、女にもモテる!人気小説家・山形鐘一郎は、あえてボロアパートで貧乏生活を送る変わり者。

そして、そのアパートの隣人たちは、みな悩める奴らばかりであった。
山形の隣部屋に住み、バブル崩壊で没落した中年男、佐竹。
2浪中の浪人生、青木。一流大卒で仕事漬けの若きエリート銀行員、和田。

そんな悩める男たち、さえない男たちは、
貧乏生活を楽しむ山形に憧れ、一緒に楽しむようになっていく。


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大市民Ⅱ  Kindle版

『大市民』第2弾は、『大市民Ⅱ』2巻である。原宿に居を構えた作家山形鐘一郎の相変わらずの蘊蓄・拘りの人生論を語るのであった。料理と酒と毒舌に乾杯で完敗である。


大市民Ⅱ (2)

柳沢きみおのライフワーク『大市民』シリーズ。
主人公の小説家・山形鐘一郎の住まいは移り、原宿竹下通りの裏手あたり。
毒舌混じりのひとり語りで世の中を語る人気コミックエッセイ。

THE 大市民 (全5巻)


[まとめ買い] THE 大市民

自分の人生は自分だけのもの。ならば、自分の生きたいように生きる。もし人生に失敗しても、男なら笑って死んでいける!!混迷を続ける21世界初頭。日本は、そして日本人はダメになってしまったのか?いいや、勝ち抜くことだけが大切ではない、ささやかながらも豊かな暮らし、そう、「大市民」としての生き方が、我々にはあるのだ!デビュー以来30年、休むことを知らず描き続けてきた柳沢きみお氏が贈る人生指南の書、ここに再生!!

大市民日記

酒と食と移りゆく四季折々の景色をこよなく愛する山形鐘一郎!歯に衣着せぬ物言い痛快なり!「美味し(うまし)!」は世界を救う合い言葉!?最後は60歳になる山形鐘一郎。だが、だが、ビールは、やっぱり、上手し。

え~っ! ここまで言っちゃうの!? 言います! 食べます! 語ります! それが崇高な魂を持つ男、作家・山形鐘一郎(やまがた・しょういちろう)なのだ! そんな山形もいよいよ60歳に! 年齢とともに食の好みも変わるものだが、今夜のビールもやっぱり「美味し!!」。タバコ論、デジタル放送、大食い番組、鮨の食べ方……相変わらず鋭い山形節も、ついに完結! 山形鐘一郎よ、永遠なれ!


大市民日記 コミック 1-6巻セット (ニチブンコミックス)

大市民挽歌

ついに、山形鐘一郎、高齢者としての終活人生を語る!!


終活人生論 大市民晩歌2 (毎日新聞出版)

『飛んだカップル』『特命係長 只野仁』などの男の本能と生き様をリアリティ豊かに描いたヒット作を放つ著者が「老いと死」に向き合った! 人生100年時代を生き抜く術が詰まった、サンデー毎日連載コミックエッセイが待望の電子書籍化!

「健康不安」「孤独」「介護」「相続」「ごみ屋敷」「ワーキングプア」など、様々な問題を抱えた個性豊かなキャラクターたちのために主人公・山形が戸惑いつつも問題解決に奔走する姿が描かれる。天涯孤独、自由気ままに朽ちて死ぬ、と思っていた主人公が彼らとかかわっていく中で、自分なりにたどり着いた「老いと死」の境地とは。サンデー毎日連載コミックエッセイ、待望の電子書籍化第2弾!

大市民 最終章


大市民 最終章 (アクションコミックス)

『アクションピザッツ』にて生まれた『大市民』シリーズが25年の時を経てついに完結!! 高年期を迎えた山形は何を食べ何を語るのか!? これを読んで今一度、人生を見つめ直そう!!

この最終章に関しては、批判が多い。そこも、また面白いところでもある。

大市民のダンディズム

『大市民』の主人公である小説家山形鐘一郎のこだわりのダンディズムはナカナカ凄いのである。そのこだわりとは・・・・

次回、このこだわりについて、細かく見ていくことにしよう。兎にも角にも、周りの男達や女達が惚れてしまう小説家山形鐘一郎。身長185cm。体重85kg。鍛え抜かれた体。自宅はあるものの、ほとんど毎日を仕事場であるアパートで暮らす男の生き様に注目していこうではないか。では、では。また。

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