猫の見つけ方

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エッセイ

村上春樹は、大の猫好きである。その昔、彼の猫好きについては、エッセイの『村上朝日堂ジャーナル:うずまき猫の見つけかた』に詳しい。

そして、対極には『猫を棄てる』がある。

猫を見つけて、そして、棄てる。この2つのエッセイがある。


猫の腕時計というか、猫の時間

村上春樹が雑誌「ニューヨーカー」の広告で見かけて注文した猫の腕時計。

この腕時計を彼が購入したのは、きっと、文字盤の数字の代わりに「食う」「寝る」「遊ぶ」の3つの言葉が出てくるためであろう。猫の時間なのである。その、井上陽水的な3つの言葉は。確かに、かなり、面白い時計だよね。こういうウィットに富んだ時計が今も日本にはあまりないね。ちなみに、この猫時計は時間が全く狂わないそうである。素晴らしい。猫はああみえて、時間に正確なのかもしれないな。

村上春樹は言っている。この時計を見ているだけでなんとなくのんびりしてくると。そうだろうな。食う・寝る・遊ぶしかないんだもの。イイね!

下の腕時計は全く違うもの。ネットでは村上春樹が記載していた猫の腕時計は今なかった。勿体ないよね。今、売ってもかなりの人気になるはずなのに。しかし、猫の腕時計はかなりあって、人気が高いのである。


猫の名前

1.どことなく当時の首相の大平正芳に雰囲気が似ていた猫に「マサヨシ」と名前をつけた。窓から、「おーい、マサヨシ!」と声をかけると、「うるせえな」という感じでマサヨシは面倒くさそうに、こっちを見上げたという。微笑ましいな。村上。

2.村上春樹はボストンに住んでいたときに、隣の家の猫に、本名の「モリス」ではなく、「コウタロウ」と名付けて、可愛がっていた。このコウタロウは後日姿が見えなくなったが、飼い主のジェームスが結婚して高級住宅に引っ越し、一緒に転居したのだった。死んでなくて良かったね。

3.村上春樹は、学生時代、三鷹のアパートに住んでいたときに、アルバイトの帰り、勝手についてきた茶色の虎猫がアパートに転がり込み意気投合して、長い間、一緒に生活することになった。名前をどうやってつけたかというと、ラジオの深夜番組のオールナイトニッポンを聴いていたら、リスナーの投書でピーターという猫がどこかにいなくなってすごくさびしいとあったので、その猫に、ピーターと名付けたのだという。この猫はナカナカの野生児でもあった。

猫的な教訓

1.村上春樹は学校を出て以来どんな組織にも属さず一人でコツコツとやってきたが、その20年間で分かったことがあるという。それは、『個人と組織が喧嘩をしたら、まず間違いなく組織のほうが勝つ』ということだ。猫的に個人で生きるのはナカナカ大変なのであります。

2.数多くの猫と、ガールフレンドの記憶だけを残して、時は静かに、そして休むこともなく流れ去っていく。

3.欠けない満月がないように、トラブルのない生活もない。

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