四月になれば彼女は

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サイモンとガーファンクル

『四月になれば彼女は』は、それは昔、サイモンとガーファンクルの歌であった。とても、印象深い短い抒情詩のような音楽であった。そう、『April come she will』だ。

4月になれば彼女は


April Come She Will
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April, come she will
When streams are ripe and swelled with rain

May, she will stay
Resting in my arms again

June, she’ll change her tune
In restless walks, she’ll prowl the night

July, she will fly
And give no warning to her flight

August, die she must
The autumn winds blow chilly and cold

September, I’ll remember
A love once new has now grown old

『4月になれば彼女』は映画『卒業』の中でも、歌われていたのだ。

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四月になれば彼女は

小説そのもの

川村元気の小説 『四月になれば彼女は』はもともと『サイモン&ガーファンクル』の曲から取られていることが、小説の中身を読めば、分かります。例えば、本文のP.86では、こんな風に描かれています。

大島さんがひとりで砂浜に座り、ウクレレを弾きながら海を見ていました。わたしはそっと隣に座りました。優しいメロディの英語の歌でした。その歌を聴いているうちに、荒々しく聞こえていた波の音も、いつしか穏やかなものに変わっていきました。歌い終わった大島さんに、わたしは曲名を訊ねました。

四月になれば彼女は、と大島さんは教えてくれました。サイモン・アンド・ガーファンクル。四月にやってきた彼女は僕に恋をした。けれども次第に彼女の心は遠ざかり、やがて去っていく。それでも、僕は、あのときの気持ちを忘れない。

この小説は、恋愛小説風のその手の話だと思ってしまうのだが、『4月になれば彼女は』の詩と同様に、人間関係の脆い精神的な状態を実はその裏に秘めているので、結構深いのである。そして、意外と勉強にもなる。人の側面をどう把握すべきかっていうことを知ることができるのでもある。

そして、誰かのことを愛していると思えることは一瞬なのか?永遠なのか?


四月になれば彼女は (文春文庫)

4月、精神科医の藤代のもとに、初めての恋人・ハルから手紙が届いた。だが藤代は1年後に結婚を決めていた。愛しているのかわからない恋人・弥生と。失った恋に翻弄される12か月がはじまる―なぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去ってしまうのか。川村元気が挑む、恋愛なき時代における異形の恋愛小説。

内容紹介

そして、この小説の中でも、サイモンとガーファンクルの歌が流れる映画『卒業』の話にもなる。

「サイモンとガーファンクルといえばやっぱり『卒業』でしょう。フジさん観たことあります?伝説の映画。この曲と、ミセスロビンソン。スカボローフェアにサウンド・オブ・サイレンス」

「ああ、ラストが印象的だった」

「映画史に残るハッピーエンドだ」

「・・・・って、思うでしょ」タスクがにやりと笑って続ける。「あの映画をもう一度観直してくださいよ。全然印象変わるから」

「駆け落ちしてきたふたりが、バスに乗り込む。興奮した様子で笑い合う。けれどもバスが走り出し、しばらくすると、ふたりが真顔になりバスに揺られはじめる。不安げで、焦点が合わない目で俯く。さっきまで希望に満ちた笑顔は、そこには無いんです」

タスクが一気にまくしたてる。七月、彼女は去っていく。なんの予告もなく、突然に。ステージの上で長髪の男が目を閉じ、胸に手を当てる。八月、彼女はきっと死んでしまう。秋の風が肌寒く、冷たく吹くなかで。

四月になれば彼女はP.244~P.255

この小説のモチーフは、最後にあるように、

生きている限り、愛は離れていく。避けがたく、その時は訪れる。けれども、その瞬間が、今ある生に輪郭を与えてくれる。

四月になれば彼女はP.268

なのだろう。きっと。

人は人を愛し続けられるのか?愛は情に変わってしまうのか?二人でいるのに何故、孤独なのか?なのに、愛したあの一瞬の記憶は永遠に残るのか?

Youtubeでの予告というか

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杏ちゃんのご紹介では

ラジオでの本日の一冊で、杏が紹介してきたのが、この小説だった。杏のこの本に対する紹介&説明が秀逸だったので、是非、聞いてみて下さいね。

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海街diary 6 四月になれば彼女は

何故か、全く関係はないが、漫画家吉田秋生の『海街 diary 』の第6巻のタイトルは、『 四月になれば彼女は 』だった。


海街diary 6 四月になれば彼女は (flowers コミックス)

2015年初夏公開予定での実写映画化も決定!!監督を熱望し、映像化に挑むのは『そして父になる』で昨年第66回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した是枝裕和監督。すずの母が生まれ育った街、金沢。会ったことのない祖母の月命日、遺産相続の手続きのため母の生家を初めて訪れたすず。そこで四姉妹を待っていた“いちがいもん”とは!?

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