衝撃のニュースが先月流れてきた。あのブルックスブラザースが倒産したというニュースだ。コロナ禍があるとはいえ、あのブルックスブラザースが潰れるなんて。男のクールさには必要な歴史のあるブランドだったのに。これが歴史なのか?
ブルックスブラザースの服とハードボイルド小説には関係がある。
ドナルド・E・ウェストレイクの「361」
ブルックスブラザースの服はハードボイルド小説の定番である。ニューヨークのヤクザだって、ブルックスブラザースのスーツで決め込んでいる。ドナルド・E・ウェストレイクの「361」では、次のようにある。
車は黒のクライスラー・インペリアル。キャデラックがずらりと並んだ中で、それは挑戦的に見えた。白人の運転手と、後ろの座席におさまっている黒人。年はせいぜい30、組の伝票で買った、ブルックスブラザースのスーツを着こんでいる。
ドナルド・E・ウェストレイクの「361」
そう、ブルックスブラザースの服は高価なのだ。若いヤクザが自分で買えるような代物ではないのだ。だから、組の金で購入したと言っている。しかし、しごく、まともまっとうないい服なのだ。ブルックスブラザースの服を着たヤクザなんて、かっこいいではないか。
1818年に創業したブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)は、アメリカで最も歴史あるアパレル・ブランドだ。
ブルックス・ブラザーズは、初めて男性向けの「既製服」を手掛け、国際的に輸出したアメリカ初のレーベルだ。
同ブランドの紳士服は、セレブや金融街の幹部、アメリカ大統領などの事実上の象徴となっている。
アメリカの俳優、大統領、学生が愛用! ブルックス・ブラザーズ、200年の歩み
カート・キャノンの「酔いどれ探偵街を行く」
カート・キャノンの「酔いどれ探偵街を行く」では、次のセリフがある。
くりかえしていうわ。ありがとう。きっと、そのブルックスブラザース風の洋服の下には、詩人がかくされているんでしょう。
カート・キャノンの「酔いどれ探偵街」
ブルックスブラザース風
ブルックスブラザース風とは何か?それは、グレイかダークブルーの三つボタンのすっきりとしたスタイルで、秋冬ならフラノかサキソニー、春夏ならトロピカルといったような生地で作る。そして、最大の発明はボタンダウンシャツだろう。
コメント