海辺のカフカMonoMania

フランソワ・トリュフォー

海辺のカフカをモノから見直すと、人生が少しだけ分かってくる。

海辺のカフカでも、村上春樹は多いに、音楽の知識を披露している。

シネマも。

ここらへんに、村上春樹小説のモノマニアの良さがあるね。

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カフカの家出と持参物

15歳の誕生日に、少年カフカは野方の家を出る時に、

古い小さな金のライターと鋭い刃先を持った折り畳み式のナイフと強力なポケット・ライターをもらっていくことにした。

そして、年齢を隠すために、濃いスカイブルーのレヴォのサングラスを持った。

ちなみに、父が大事にしていたロレックスのオイスターは持っていかなかった。

洋服の他には、空気を抜いて小さく折りたためるスリーシーズン用の寝袋、簡単な洗面用具キット、雨天用ポンチョ、ノートとボールペンを持った。

そして、ニューヨーク・ヤンキースのロゴの入ったベースボール・キャップをかぶって、カフカは出ていくのだ。

甲村図書館

田村カフカが甲村図書館で読む本や話に出てくる小説や人物は「千夜一夜物語」であり、

「種田山頭火」であり、

フランツ・カフカの「流刑地にて」だったりする。

そして、甲村図書館に慣れ始めた頃から、

彼は、夏目漱石の「抗夫」や「虞美人草」を読む。大島さんに親近感を抱き、佐伯さんに憧れを抱く。

ナカタさんとホシノ君

ナカタさんは猫とも犬とも話ができる。

空からサバやヒルを落とすこともできる。

そして、喋りはおかしいし、話の内容が小学生以下だが、極めて、イノセントで純粋だ。

だから、ホシノ君はナカタさんと一緒にいて、とても気持ちが良い。悪がナカタさんの心にはないのだ。

ホシノ君は、ポニーテールで耳にピアスをし、中日ドラゴンズの野球帽をかぶり、派手な模様のアロハシャツを着ている。

そして、ナイキの大振りなシューズを履いている。

ホシノ君、音楽に目覚める、のだ

海辺のカフカでも、村上春樹は多いに、音楽の知識を披露している。

ホシノ君をベートーヴェンの大公トリオの虜にさせている。

ベートーヴェンの書いたピアノ・トリオの中で、もっとも偉大な、気品のある作品だと言わせている。

そして、ピエール・フルニエのチェロの素晴らしさをホシノ君は喫茶店のマスターから教えてもらう。

ハイドンのことについても、ホシノ君はマスターから色々と教えてもらう。

そして、ホシノ君は次のようなことを想うのだ。

でもいつのまにかそうではなくなってしまった。そいつは変な話だな。人ってのは生きるために生まれてくるんじゃないか。そうだろう?それなのに、生きれば生きるほど俺は中身を失っていって、ただの空っぽな人間になっていったみたいだ。そして、この先さらに生きれば生きるほど、俺はますます空っぽで無価値な人間になっていくのかもしれない。そいつは間違ったことだ。そんな変な話はない。その流れをどこかで変えることは出来るのだろうか?

海辺のカフカ第34章より

ホシノ君、映画に目覚める、のだ

そして、ホシノ君に、フランソワ・トリュフォーの映画の回顧上映2本立てを観させるのだ。

「大人は判ってくれない」「ピアニストを撃て」だ。

フランソワ・トリュフォーの作品を柔軟な好奇心に満ちた、求心的な執拗な精神と言わせるのだ。

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