意外と知られていないのは、アイリッシュ・ウィスキーに関してのバイブルなのが村上春樹の「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」という寄稿文というかエッセイというか写真集というか、その本なのである。アイリッシュ・ウィスキーについて、そのセンスを知りたければ、この短い本を読めば良いのだ。
アイラ島
スコットランドの端っこにある小さな島。シングル・モルト・ウィスキーであるアイリッシュ・ウィスキーの聖地となった島である。
面積約620平方キロのアイラ島には、約210 kmものの見事な海岸線が広がります。島の特産はモルト ウイスキーで、8か所の蒸留所があります。
アイリッシュ・ウィスキー
村上春樹は、アイリッシュ・ウィスキーを癖のある順番に並べている。この紀行文を書いた時には、ポート・エレンの蒸留所は入っておらず、7つの蒸留所でできたシングルモルトについて、記載している。
アードベッグ
このアードベッグについては、村上春樹はワイルドで個性的で魅力的と言っている。しかし、毎日こればかり飲んでいたら、あるいはいささか疲れるかもしれないと付け加えている。かなり、きついのだ。
最もデリケートで複雑な味わいのアイラモルトとして世界中で高く評価されるアードベック。ウィスキー評論家ジム・マレー氏が「世界で最も偉大な蒸留所」「完全な味わい」と絶賛しています。
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最もピーティーでスモーキー。一度味わったらクセになる個性的な味わい。強烈なスモーキーさの中に繊細な甘さと複雑さを併せ持つ究極のバランス。
アードベギャンと呼ばれる熱狂的なファンに愛されるカルト的存在。2008年にシングルモルトとして初めてワールド・ウィスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞。
ラガヴリン
ラガヴリンについては、村上春樹は何も言っていない。というか、7つのアイリッシュ・ウィスキーのうち、アードベッグ・ラフロイグ・ボウモア・ブナハーブンの4つにしか言及していない。あとの3つには何も触れていない。
アイラ島のラガヴーリン湾に面した、絵画のように美しい蒸留所で造られるシングルモルト。最も情熱的、スモーキー、豊かな香味で多くの愛好家からアイラモルトの決定版と評価されています。
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アイラ島が誇る荘厳なる一品。ピート、海草、ウッド、フルーツの複雑な香味で島の名を世界的に知らしめました。少しウッディな海塩の味覚が続き、長く、上品なピート香に満ちた後味が特徴です。
ラフロイグ
村上春樹はラフロイグについては、こんなことを言っている。
たしかにラフロイグには、まぎれもないラフロイグの味がした。10年ものには10年ものの頑固な味がしたし、15年ものには15年ものの頑固な味があった。どちらも個性的で、おもねったところはない。文章でいえば、たとえばアーネスト・ヘミングウェイの初期の作品に見られるような、切れ込みのある文体だ。華麗な文体ではないし、むずかしい言葉も使っていないが、真実のひとつの側面を確実に切り取っている。誰の真似もしていない。作り手の顔がくっきりと見れる。音楽でいうならば、ジョニー・グリフィンの入ったセロニアス・モンクのカルテット。15年ものは、ジョン・コルトレーンの入ったセロニアス・モンクのカルテットに近いかもしれない。どっちも捨てがたく素敵だ。そのときどきの気持ちで好みがわかれるだけだ。
もし僕らのことばがウィスキーであったなら
「ラフロイグ」とは「広い湾の美しい窪地」という意味。力強い濃密な個性に魅せられた世界中のファンから、アイラモルトとして高い支持を受けています。独特のスモーキーフレーバーはアイラモルトの中でも最も個性が強くシングルモルトの上級者向け。英国チャールズ皇太子愛飲のモルトとしても有名。
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カリラ
ゲール語で「アイラの海峡」を意味するカリラ蒸溜所は、170年もの間、アイラ海峡を見下ろす場所に立っています。ブレンデッドウイスキーのキーモルトとして使用されてきた知る人ぞ知るカリラ蒸溜所は、冷却水に海水を使用している唯一の蒸溜所です。 全体的に甘く乾きのある25年以上の熟成を経てボトリングされた大変希少なミディアムボディのシングルモルトウィスキーです。
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ボウモア
ボウモアに関しては、村上春樹は次のように言っている。
実際に飲んでみると、ボウモアのウィスキーにはやはり人の手の温もりが感じられる。「俺が俺が」という、直接的な差し出がましさはそこにはない。ひとことで「これはこうだ」と言い切れるようなキャッチ―な要素は希薄である。そのかわり、暖炉の前で、古く懐かしい手紙を読んでいるときのような静かな優しさ、懐かしさが潜んでいる。にぎやかなところで飲むよりは、馴染んだ部屋で、馴染んだグラスで、一人で穏やかに飲みたい酒だ。その方が味がずっと生きてくる。シューベルトの長い室内楽を聴くときのように、目を閉じて息を長くとって味わったほうが、味の底が一枚も二枚も深くなる。ほんとうです。
もし僕らのことばがウィスキーであったなら
1779年創業でアイラ島最古の蒸留所。「アイラの女王」とも呼ばれる気品あるスモーキーフレーバーが特徴のボウモア。12年物はボウモアモルトの代表的存在で、世界中のモルトウイスキー愛好家に愛されています。潮の香りが魅力のアイラモルトの中でも最もバランスが良く、爽やかな柑橘香も特徴です。ISC2017年金賞。
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ブルイックラディ
ブルイックラディ アイラバーレイはその名の通り、アイラ島で収穫された大麦を使用し、ノンピートで造られております。
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ブナハーブン
ブナハーブンについて、村上春樹は、やはり、音楽で攻めてくるのだった。
淡い闇の光の隙間を細く繊細な指先でたどるピーター・ゼルキンの「ゴルトベルグ変奏曲」を聴きたくなるような穏やかな宵には、かすかなブーケの香りが漂うブナハーブンあたりを、ひとり静かに傾けたいところである。
もし僕らのことばがウィスキーであったなら
創業1881年の「ブナハーブン蒸溜所」は、ウイスキーづくりが盛んなアイラ島に位置します。アイラ島では希少なピートをほとんど炊かない製法でつくられたシングルモルトウイスキーで、フレッシュな風味が特徴です。よりウイスキー原酒本来の味を追求するため、冷却ろ過を行わず、無着色のナチュラルカラー、アルコール度数を46.3度と高めに仕上げております。
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